2022年6月30日（木）デイリーマーケット分析 from trading desk

29日のアメリカ市場で円相場は136円55～65銭で取引を終えた。

FRBのパウエル議長は同日、欧州中央銀行が主催する金融シンポジウム「ECBフォーラム」で、物価安定の回復に失敗することのリスクに言及。

一定程度は景気を犠牲にしても物価抑制を重視する姿勢を改めて示したとの受け止めから、円売り・ドル買いが出た。

円は137円ちょうど近辺と1998年９月以来およそ24年ぶりの安値をつける場面あった。

パウエル議長のほか、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）のメンバーである米クリーブランド連銀のメスター総裁も29日の米ＣＮＢＣのインタビューで、７月会合での0.75％の利上げを支持する考えを示した。

円は売り一巡後は利益確定目的の円買い・ドル売りも入って下げ渋る展開だった。

本日の重要な経済指標は、6月中国PMI、5月独小売売上高、1－3月期英GDP改定値、6月独雇用統計、4月カナダGDP、5月米PCEデフレーター、6月米シカゴ購買部景気指数、OPECプラス会合開催だろう。

金融政策の方向性が相場の軸、日米の金利差拡大、スイス中央銀行のサプライス利上げ、利上げモードながら主要国と南欧の利回り格差からPEPP再投資のECB、強弱関係が鮮明に。

本日は米PCEデフレーターが強ければこの動きが継続すると推測。

ただ月末・２Q末でフローには要注意。

テクニカル面では、23日の安値をボトムとして25日朝から29日朝にかけての間への上昇を想定。

29日夕時点で前回トップから5日以上を経過してボトムからも3日半を経過。

29日早朝高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当。

29日早朝高値を直近のサイクルトップとし、高値更新からは138円試しとした。

29日夜に29日早朝高値を上抜いて一段高となったため29日夕安値を直近のボトムとした強気サイクル入りとして7月2日早朝から6日早朝にかけての間への上昇と138円台試しを想定する。

30日の下値支持線は29日夕安値（135.741）までとし、29日夕安値を割り込む場合は底割れによる弱気サイクル入りとして7月4日夕から6日夕にかけての間への下落と134円台後半試しとする。

前々回ボトム　06月23日（134.265）
前回ボトム　　06月28日（135.741）

前々回トップ　06月22日（136.704）
前回トップ　　06月29日（136.376）

【ドル/円】本日の重要なサポート＆レジスタンス

第5レジスタンス：137.50-55円（レート節目など）
第4レジスタンス：137.10-15円（ピボットS1など）
第3レジスタンス：137.00-05円（前日高値圏＆心理的節目）
第2レジスタンス：136.70-75円（6/29高値圏など）
第1レジスタンス：136.65-70円（前日5時台高値圏など）

NY引け値：136.58円（＋0.49円）
第1サポート：136.40-45円（60分足20本基準線など）
第2サポート：136.30-35円（前日1時台安値圏など）
第3サポート：136.15-20円（1σ上限ラインなど）
第4サポート：136.00-05円（心理的節目など）
第5サポート：135.90-95円（前日10時台安値圏＆ピボットB1）

経済指標
10:30　6月中国製造業購買担当者景気指数（PMI、予想：50.5）
15:00　5月独小売売上高（予想：前月比0.5％／前年比▲1.8％）
15:00　5月独輸入物価指数（予想：前月比1.5％／前年比31.5％）
15:00　1－3月期英国内総生産（GDP）改定値（予想：前期比0.8％／前年比8.7％）

15:00　1－3月期英経常収支（予想：398億ポンドの赤字）
15:30　5月スイス小売売上高
15:45　6月仏消費者物価指数（CPI）速報値（予想：前月比0.7％／前年比5.7％）
15:45　5月仏卸売物価指数（PPI）
15:45 5月仏消費支出（予想：前月比0.2％）
16:55　6月独雇用統計（予想：失業率5.0％／失業者数変化▲0.60万人）
18:00 5月ユーロ圏失業率（予想：6.8％）
21:30 4月カナダGDP（予想：前月比0.3％／前年比4.9％）
21:30 5月米個人消費支出（PCE、予想：前月比0.4％）5月米個人所得（予想：前月比0.5％）5月米PCEデフレーター（予想：前年比6.4％）5月米PCEコアデフレーター（予想：前月比0.4％／前年比4.8％）
21:30 前週分の米新規失業保険申請件数／失業保険継続受給者数（予想：22.8万件／131.0万人）
22:45　6月米シカゴ購買部協会景気指数（予想：58.0）